”感情を聴く”には”相手を受け入れるスタンス”が何よりも重要。
そして”聴く”とは”能動的なアクション”であり実践しようとすると非常に疲れます。
話し手に対する”純粋な好奇心”を持ち、”批判することなくただただ聞き入れる”。
前回の内容を未読・失念してしまった方は下記から復習ください。
今回は”聴くプロ”が「どのように他人とコミュニケーションをとっているか？」紹介していきます。
人や国の命運を預かるプロ達が”コミュニケーションで意識していること”を学び、超実践的な実例から見る”聴くコトのパワー”について学びましょう。
目次
■コミュニケーションのプロから学ぶ”聴き方の極意”‐FBI編‐
本書では”コミュニケーションのプロ”として”FBI捜査官”の事例が載っています。
まずは本書の抜粋から見ていきましょう。
”コミュニケーション1つ”で人の命が左右されるFBI捜査官、まさに”コミュニケーションのプロ”ですよね。
ベテランFBI捜査官の言葉にはこうありました…
「交渉のコツは”説き伏せる”のではなく”相手の視点を理解すること”。」
「人の話は”同心円”だ。”事実”の周りに”感情”が回ってる。」
「”感情”の方が”事実”よりも重要。」
「”事実”よりも”どう感じるか”が重要だ。」
人命救助の第一線で活躍していた”交渉人”ですら「説得・論破よりも、相手視点に立ち・相手の感情を理解することが何よりも大事」だと考えています。
著者は彼の話をこうまとめます。
「ネスナーは犯人の感情に、照準をピタリと合わせていた。」
実際に彼は交渉の場で犯人に次のように問いかけます。
「彼女の言葉で本当に傷ついていたんだね。」
もう後には引けない犯罪者にすら”論破・説得ではなく感情を聴くコト”で、最悪の被害を食い止めていました。
人を動かすには”感情をつかむこと”が何よりも大事です。
■相手から”深い話”を聴けるかは”聴くスタンス”次第！！
「相手を動かす」
「それほどの”意味ある深い話”」
「それは専門家だから出来る？」
もちろん、その通りです。
普通の人が誰でも簡単に出来れば、”交渉人”なんて存在しません。
一方で同時に考えてみたいのが「彼らは生まれながらに交渉人だったのか？」という点です。
そんなわけないですよね？
つまり「彼らのような専門スキルは、後天的に身に付けることが出来る」ということ。
FBI捜査官のネスナーは次のように伝えています。
「誰かに意識を完全に集中させると、その人について驚く程知ることが出来る。」
前回の記事でも紹介した通り”心から相手に興味を持つ”こと。
”知ったか”や”否定・批判”ではなく、”相手をそのまま受け入れる”。
明日からネスナーのように”相手を動かす聴き方”が出来るわけではありませんが、まずは”意識”から。
その継続で「まさかこんなことまで…」という情報も、驚くほど聴けるようになります。
■コミュニケーションのプロから学ぶ”聴き方の極意”‐CIA編‐
「FBI”とくればCIA」でしょう。
本書には”CIA捜査官”の事例も載っていました。
国家の命運がかかる”CIA諜報員”、FBI捜査官以上にプレッシャーと重責がのしかかっているはずです。
そんな彼らは次のようにコメントしていました。
「信頼できる情報を引き出すには”良い聞き手”になるしかない。」
「尋問したら”何かしらの情報”は引き出せる…でもそれは”信頼できる”とは言えない。」
普通に考えれば”説得し・駆け引きし・プレッシャーを与える”方が合理的で、効果的に”決定的な情報”を引き出せそうな気がします。
でも彼らは「そんなことはしない」と断言しています。
抜粋には載せていませんが、本書ではマクマナスがアルカイダに関する超重要情報を、”尋問ではなく良い聞き手になることで引き出した”エピソードが載っています。
国の威信が掛かったプロフェッショナルですら”良い聞き手”として”聞き手の傍に立つことが重要”だと考えいてるのです。
■目指すべきは”自然な会話”！一方的な質問は”土足で家にあがる”様なもの！！
“聴くプロ”であるFBI・CIAの例からも、”一方的な質問＝尋問に意味が無い”ことが分かったと思います。
大切な点は”相手の感情にフォーカスする”こと、そして”相手の視点を理解する”こと。
本書では”良い聞き手になるためのコツ”を次のように解説しています。
「値踏みするような質問はNG。」
「根掘り葉掘り聞くのはNG。」
「相手の話を聴いて会話が”自然と”展開していくのに任せる。」
そうなんです。
自信がない人がやりがちなのが、”空気の読めない自慢話”。
相手に対して”変にマウントを取ろう”として”相手の価値を下げる質問”をしたり、”自分の価値を高めるような話”をしてみたり…
「よくXXのお店に行くんだよね。」
「車はXXに乗ってて。」
「この時計はXXって言って超ヴィンテージなんだよね。」
「今の仕事ではXX円ぐらい動かしてて…」
”不自然な誇張・自慢”をしたら気持ち悪いです。
誰しも”ストレス”って感じたくないじゃないですか？ということは”会話で受けるストレスも感じたくない”んです。
「あ。」
「この人と話してると疲れる。」
「この人と話してると疲れる。」
そう思われたら”次”はありません。
”自然な会話”を心がけましょう。
難しいことは何もありません。
・相手が話題に挙げたトピックから勝手に話題を変えない。
・相手が話している時には会話を被せない。
・相手が”1”話したらこちらも”1”だけ話す。
・相手が話している時には会話を被せない。
・相手が”1”話したらこちらも”1”だけ話す。
結構皆さん”話題を変える”・”会話を被せる”・”一方的に話す”やってますよ。
※
あわせて注意したいのが”相手の心の準備が出来ていないのに、聞きたい事を聞いていくこと”。
「相手に好奇心・興味を持つ」
そうなると皆さんやりがちなのが、”気持ちのままに質問をぶつける”こと。
”感情を聴く”と、質問された側は”その感情を体感する”ことになります。
当時の心境や状態を思い出しながら話しますので、相手は”その感情のエネルギーをもろに喰らう”ことになるのです。
相手にとって”相当なレベルのエネルギーを使う”ということです。
質問された内容が”怒り・哀しみ”であれば”繊細な内容”についてになります。
本人からしたら「あまりトピックに挙げたくない…」、ましてや”初めましての相手”にやすやすと話したく無い内容がほとんどです。
みなさんの寝室・ベッドに知らない人が”土足であがりこんで来たら”どう思いますか？
かなり嫌ですよね？
”繊細な内容”とは、それくらい繊細に扱ってあげなくてはなりません。
”相手が準備できた”と合図が出て初めて、相手の中心に深く入り込むような話を聴いて行くべきです。
本書では次の様に続けます。
「心からの好奇心があり、礼儀正しく、熱心に耳を傾けると、話かけられた方も親切になる。」
良い聞き手とは”そうゆうもの”です。
■”聞き手のスタンス”により”話し手の情報量は”変わる！！
前章の内容に近いですが、本書では”聞き手のスタンス”により”話し手の情報量が変わる”という調査結果を紹介しています。
これ。
意味的には”全く同じよう話”どこかで”見覚えはありませんか？
そうです「人は聞き方が9割」にて、「聞き手のアクションで変わる話し手の内容！」で紹介した内容と同じなのです。
▶ 人は聞き方が9割
「え？」
「自分がどんな態度であっても…」
「相手は勝手に話してくれるよね？」
そうでは…ないんです。
あなたの”聴くスタンスで話し手がくれる情報は変わる”のです。
FBI・CIAの諜報部員のエピソードを思い出してみましょう。
彼らがコミュニケーションをとってきた相手は、”誰に対しても同じように”話をしていましたか？
違いますよね？
相手に対して”興味”を持てなければ、自然と話し手は心を閉ざしてしまいます。
■感情を聴く良い聞き手は”相手の感情”は”無批判で受け入れる”！！
相手が”本音”で話してきたら、”無批判で受け入れること”が何よりも大事です。
「自分の一部を差し出している。」
「”この人に本心は話せない”と考え綺麗ごとしか話してもらえなくなる。」
相手に対し真摯に向き合い話を聴いていると、”本音”で話してもらえる時が必ず来ます。
せっかく角相手が勇気を出して”本音”を語ってくれているのに、それに対して”無粋な対応”をしたら相手は相当ショックです。
相手が”本音”を出してきてくれたら、たとえそれが自分の考えと違っていても”感情は受け止める”スタンスが何よりも大事です。
「この人は私の感情を大事にしてくれる。」
相手からの”無条件の信頼”をもらえることが”良い聞き手”に必要な資質になります。
次回に続く…
【前半】聴く力を身に付けるコツ・ポイント
第1回：人生を変える”聴く力”とは？
第2回：”聴く”本質とは？
第3回：国宝級諜報部員に学ぶ”聴く”極意
第4回：”頭が良い人”・”人見知り”こそ話を聴けない
第5回：自分の”ゆがみ”をまずは知る事から
第6回：”非言語”も会話の一部
第7回：”相手の理解度の理解”も”聴く”
第1回：人生を変える”聴く力”とは？
第2回：”聴く”本質とは？
第3回：国宝級諜報部員に学ぶ”聴く”極意
第4回：”頭が良い人”・”人見知り”こそ話を聴けない
第5回：自分の”ゆがみ”をまずは知る事から
第6回：”非言語”も会話の一部
第7回：”相手の理解度の理解”も”聴く”
【後半】聴く力が無いと起きる問題・課題
第8回：”聴いてるフリ”が一番最悪
第9回：自分の”ゆがみ”を知ることこそ聴く事
第10回：相手を”受け止め”ない限り真の理解は無い
第11回：”非言語”を理解し非言語を操る
第8回：”聴いてるフリ”が一番最悪
第9回：自分の”ゆがみ”を知ることこそ聴く事
第10回：相手を”受け止め”ない限り真の理解は無い
第11回：”非言語”を理解し非言語を操る
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