先日の面談にて、コミュニティメンバーから下記の相談を受けました。
「何となく毎日過ごしているけれど、5年後・10年後の目標設定は必要ですよね?」
私はすぐに…
「それは止めた方が良い!!」
そう答えました。
というのも私自身が、「5年後・10年後の目標設定の罠」にはまり10年近く迷走していた過去があるからです。
今回は「なぜ未来の明確な目標を持つべきではないか」説明していきます。
■一生懸命な人・高学歴な人がハマる”目標設定の罠”
勉強・仕事を頑張っている方ほど、「5年後になりたい姿を描き日々頑張る」ことをしがちです。
というのも、彼らの学生時代は”未来のある時点を目標に勉強・生活を進めていた”からです。
「○○か月後のテストのために…」
「○○年後の受験のために…」
そのように”将来のある時点”に向け、計画的かつ中長期で努力し目標を達成してきました。
勉強・仕事が出来る人は”未来志向の感覚”が当たり前に根付いています。
”人生の勝ちパターン”として、この考え・感覚を拠り所に生活していますし、それは悪いことではありません。
しかし社会人になってからは、この”未来志向”が最も危険な思想に変わるのです。
大きく下記の3つが理由になります、それぞれ説明していきましょう。
①獲得経験による変化
②負け癖スタンダード
③目標のアキレスと亀化
■【落とし穴①】「5年後になりたい姿」は”今のあなたが考える姿”でしかない
みなさんに質問です。
”10年前の自分”を思い出してみてください。
10年前の自分が「将来は○○になっていたい!」と思っていた姿・状態って、今のあなたが思う「こうなっていたい!」と思う姿・状態と同じでしょうか?
恐らく「結構違う…」というのが答えではないですか?
これが1つ目の罠、”獲得経験による変化”です。
そもそも人は、周りの住環境や生活環境により”考えや感覚が変わっていく生き物”です。
江戸時代のように”外部環境が変わりにくい状況”ならまだしも、”現代の5年”は自分の考えが大きく変わるには十分過ぎる時間です。
みなさんが描く”5年後の姿”というのは、あくまでも「今の自分が見えている5年後の姿」でしかありません。
今年・来年と継続的なチャレンジを続けていけば、得られる経験も膨大になりますし、それにより”思考の変化”も大きくなります。
状況・環境が大きく変わるであろう「5年後の姿」をいくら今考えたところで、有効なはずがありません。
積み上げ式で未来を描くことを”フォアキャスティング”と呼び、その反対に”未来の状態から逆算してアプローチを考えること”を”バックキャスティング”といいます。
目標達成の有効なアプローチとして、バックキャスティングをしばしば耳にしますが、前述の理由から推奨出来ません。
というのも、「現時点での前提・状況・状態条件は、今後得られる経験・体験により変わる」からです。
”現時点で描く5年後の姿”自体が、”フォアキャスティングになってしまっている”のです。
■【落とし穴②】人は”見えないゴールや現実感のない目標”は達成できない
42.195㎞を走るマラソン。
距離はとんでもなく長いですが、”決まった距離”だから何とか走り切ることが出来ます。
ところが”5年先のゴール”となると話は別。
普通に生活していれば”5年という期間はとてつもなく長い期間”です。
まずもって”モチベーションが持ちません”。
かといって真面目なみなさんは、「これは俺が決めたことだから、やらないと…」と思い、ダラダラダラダラと目標に向け活動を続けます。
モチベわかない・集中できない ⇒ でも行動は続ける ⇒ 決めた通りに動けない・遅延 ⇒ モチベ下がる・集中できない…
このような悪夢のような”目標未達に向けて進む負のスパイラル”におちいるのです。
■【落とし穴③】今を生きるのではなく”ずーっと未来のため”に生きはじめる
”アキレスと亀”という話はご存じでしょうか?
”俊足のアキレスが鈍足の亀を追いかける話”ですが、アキレスが頑張って走っても「なぜか亀に追いつけない…」という話です。
ご存じない方は、是非ググって調べてみてください。
”目標のアキレスと亀化”とは、”5年後の未来を考え行動する”人は、”5年経った時点でもまだ5年後を考え行動してしまう”ということです。
”未来志向の人”は”ずーっと未来志向で生活する”ので、「今、この瞬間を楽しむ・生きる」ということが出来なくなるのです。
これ本当に怖い話で、この”アキレスと亀の状態”に一度おちいると「一生懸命頑張っているのに、何に対して頑張っているのか分からなくなる」状態になります。
自分では”アキレスと亀の状態”になっていることになかなか気がつけず、”いつまでも未来のために今を犠牲にして頑張ってしまう”のです。
人間は”今この瞬間しか生きていない”のに、”未来の特定の目的・ゴールのために生きている時間を捧げしまう”ということ。
言い換えると「終わりのない受験勉強を毎日数時間ずっと続ける」ようなものです。
考えただけでもゾッとします。
自分が本来「好きだ!」と思えること以外の行動は、基本的に無駄です。
■大事なことは”願望”と”目標”を切り分け、短期決戦にすること
とはいえ「明確な目標無くして、自分の夢・希望を叶えることは出来ない」のもまた真です。
自分の夢・希望を叶えつつ、前述のような”罠”にはまらないポイントが2つあります。
1つ目は、”願望と目標を切り分ける”ことです。
結構初歩的なことですが、「願望と目標をごちゃまぜにしている」人は多くいます。
”願望”を端的に言えば、”自分の希望・欲望”です。
「あれしたいなー。これしたいなー。」
そんな”欲の根源”みたいなものは絶対にあった方が良いですし、無理に制限する必要はありません。
”目標”とは、”願望を具体的なゴールに形を変え、ゴールまでの具体的なステップを描く”ことです。
「次の大会で○○位入賞。そのために□□と××をする」
こんな感じですね。
”何となくの願望”では”目標達成=自分の希望の状態”にはなれません。
2つ目は、”短期の目標に限定すること”です。
前述の通り、”5年という長期目標”に設定してしまうからこそ、外部環境や獲得経験の影響をもろに受けます。
目標設定は基本的には”1年目標”、長くとも”2年目標”にとどめ、短期決戦で狙ったゴールを獲っていくのが基本戦略です。
■まとめ
今回は”5年・10年という長期スパンで目標設定する危険性”についてお伝えしました。
高学歴・真面目な頑張り屋さんほど、中長期の目標設定を行い、「頑張って○○を達成しよう!」としがちです。
2年を超えてくるような目標設定は、”経験と共に変わるべきゴール”が変わることなく古いゴールを追い続けるリスクがあります。
またそもそも、そんな長い長期目標を追い続けられるほど、みなさんモチベーションが保てません。
そして一番気を付けなければならないのは”アキレスと亀化”。
「常に将来のために動いている」人は、本来”今この瞬間しか生きていない人生”を生きることなく、”常に未来のための自己投資”として今を費やしてしまいます。
目標設定は”基本的に1年スパン”とし、「まずは今を楽しむ。ただし未来にも投資する」ぐらいのスタンスがベストです。
一生懸命生きるとは、”今を一生懸命楽しみ、生きること”であり、「未来のために今の時間を費やすことではない」を重々心にとめましょう。
★★★ ★★★ ★★★
「モヤモヤするけど、どうしたらよいか分からない…」
人生真剣に生きていれば「誰かに話を聞いてもらいたいけれど、上手く言葉に出来ない」そんな苦しい時が必ずあります。
・キャリアについて悩んでいる
・転職を絶対に成功させたい
・人生の方向性や生き方がよくわからない
・恋愛ってなんなんだろう など
現状を打破し「人生を何としてでも変えたい」そんな方は是非お気軽にご連絡ください、皆さん1時間程度の会話で晴れやかになり帰られています。
過去の相談者の声や相談連絡先は下記にまとめてあります。
▶ 相談会参加者の声はコチラ
▶ 相談会連絡先はコチラ
▶ 編集長自己紹介はコチラ
みなさんの人生が少しでも、より良くなりますように。